【キッチンカーでカフェ開業】保健所の営業許可基準に地域差はある?大阪市VS神戸市

申請書類を提出する準備をしている。

「カフェ開業@キッチンカー」奮闘記 第5歩:
【キッチンカーでカフェ開業】保健所の営業許可基準に地域差はある?大阪市VS神戸市

もしあなたが、

「キッチンカーで全国を転々を旅しながら飲食店営業をしたい!!」

「いろんな地でたくさんの人と出会いながらキッチンカーで商売したい」

と思い描いて「キッチンカー」でカフェなどの飲食店開業を目指しているなら、この記事はあなたの為の記事かもしれません。

「キッチンカー」で全国旅をしながら、カフェ営業が出来たら、どんなに楽しいかな~って僕自身も思います。

でも、2022年4月現在の今時点では、その夢を実現したくても、立ちはだかる「難しい現実」があるのです。

ずばりそれは。。。次の2つの要因なんです。

  • 保健所による営業許可申請は地域毎に必要である。
  • 保健所によって審査基準が統一されていない。

キッチンカーでカフェ等なにかの飲食店営業を始める為には、そのキッチンカーで営業する場所を管轄する「保健所」に営業許可をもらう必要があるのです。

つまり全国を旅するならば、行く先々でその地域を管轄する保健所に「営業許可申請」を取らなければならないのです。

しかもその「営業許可」の審査基準に地域差があるのです。

ただ、令和3年6月1日から改正食品衛生法が施行され、ルールの統一化が図られてきているようです。

とはいえ、まだ完全に統一されているわけではないので、全国を旅しながらの「キッチンカー」でカフェ開業は、今は難しそうです。

なお僕の場合は、住んでいる地域が関西なので今のところ「大阪市」「神戸市」の両方で「キッチンカーによるカフェ営業」をできるようにと考えています。

そんなわけで「大阪市」「神戸市」の保健所に行き、キッチンカーでカフェ開業するための審査基準について調べてきたので記事にしたいと思います。

目次

①大阪市、神戸市の保健所の管轄について

早速ですが「大阪市のある大阪府」「神戸市のある兵庫県」の保健所管轄エリアは次のようになります。

  • 大阪府の保健所管轄一覧【2022年4月時点】
    2022年1月より、大阪府内のどこかの保健所で「営業許可」を取得できれば、府内全域で営業できるようになりました。(すばらしい!!)
保健所担当地区
大阪市保健所北部生活衛生監視事務所北区・都島区・淀川区・東淀川区・旭区
西部生活衛生監視事務所福島区・此花区・西区・港区・大正区・西淀川区
東部生活衛生監視事務所中央区・天王寺区・浪速区・東成区・生野区・城東区・鶴見区
南東部生活衛生監視事務所阿倍野区・東住吉区・平野区
南西部生活衛生監視事務所住之江区・住吉区・西成区
池田保健所池田市、箕面市、豊能町、能勢町
茨城保健所茨木市、摂津市、島本町
守口保健所守口市、門真市
四條畷保健所大東市、四條畷市、交野市
藤井寺保健所松原市、柏原市、羽曳野市、藤井寺市
富田林保健所富田林市、河内長野市、大阪狭山市、
太子町、河南町、千早赤阪村
和泉保健所和泉市、泉大津市、高石市、忠岡町
岸和田保健所岸和田市、貝塚市
泉佐野保健所泉佐野市、泉南市、阪南市、熊取町、
田尻町、岬町
堺市保健所堺市
東大阪市保健所東大阪市
高槻市保健所高槻市
豊中市保健所豊中市
枚方市保健所枚方市
八尾市保健所八尾市
寝屋川市保健所寝屋川市
吹田市保健所吹田市
  • 兵庫県の保健所管轄一覧【2022年4月時点】
保健所担当地区
神戸市保健所東部衛生監視事務所東灘区、灘区、中央区、北区
西部衛生監視事務所兵庫区、長田区、須磨区、垂水区、西区
姫路市保健所姫路市
尼崎市保健所尼崎市
あかし保健所明石市
西宮市保健所西宮市
芦屋市保健所芦屋市
伊丹保健所伊丹市、川西市、川辺郡猪名川町
宝塚保健所宝塚市、三田市
加古川保健所加古川市、高砂市、加古郡稲美町、加古郡播磨町
加東保健所西脇市、多可郡多可町、三木市、加西市、小野市、加東市
龍野保健所たつの市、宍粟市、揖保郡太子町、佐用郡佐用町
赤穂保健所相生市、赤穂市、赤穂郡上郡町
福崎保健所神崎郡神河町、神崎郡市川町、神崎郡福崎町
豊岡市保健所豊岡市、美方郡香美町、美方郡新温泉町
朝来保健所養父市、朝来市
丹波保健所丹波市、丹波篠山市
洲本保健所洲本市、淡路市、南あわじ市

大阪府に18個の保健所、22管轄エリア
兵庫県に17個の保健所、18管轄エリア

ものすごくたくさんの管轄エリアがありますね!!

先に書きましたように、僕の場合は「大阪市」、「神戸市」を営業活動エリアのターゲットとしています。

大阪市は5つの管轄エリア(監視事務所)がありますが、大阪府内のどこかの保健所で営業許可を取得できればOKです。
一方、神戸市は2つの管轄エリア(監視事務所)に分かれていますがどちらかの管轄エリア(監視事務所)で営業許可をもらえれば、市内全域で営業が可能になります。

具体的には、「大阪市保健所の東部生活衛生監視事務所」「神戸市保健所の東部衛生監視事務所」で営業許可申請をしようと思います。

決意を固め頑張る人

②【キッチンカーの飲食店営業許可申請】大阪市の保健所が見る基準

大阪市にはどんな審査基準があるのでしょうか。

大阪市の保健所でもらってきた「自動車営業設備の概要」(様式第一号)という資料から要点を抜粋します。

「キッチンカー」の給水タンク・排水タンクの容量により3つのタイプに分けられています。

タンクの容量が大きいと調理の幅が広く、タンクの容量が小さいと簡単な調理しかできないという事です。

自動車営業の 基本設備提供不可食品等の条件が付される設備
Ⅲ型(基本型)Ⅱ型(80 型)Ⅰ型(40 型)
給水タンク容量200L以上
(通常の食器を使用可能)
80L以上
(使い捨て食器のみ使用)
40L以上
(使い捨て食器のみ使用)
排水タンク容量給水タンク容量以上
取扱い食品概要右記以外の食品を扱う場
合 複数工程の調理や生
もの、切身魚や刺身の調
右記に追加して、米飯の
加工調理、加熱済食品の
盛付、アイスクリーム類の
取扱い等を行う場合
直前加熱食品、直前加熱品を 合わせて提供する行為(米飯 含む) 非処理非包装の魚介類販売

「手洗いシンク」「洗浄用シンク」の設置基準

一番小さい「Ⅰ型(40型)」以外は、「手洗いシンク」「洗浄用シンク」を別々に設置する必要があります。

自動車営業の 基本設備提供不可食品等の条件が付される設備
Ⅲ型(基本型)Ⅱ型(80 型)Ⅰ型(40 型)
手洗いシンク洗浄用シンクと別に設けること洗浄用シンクと兼用可能
洗浄用シンク1槽式以上

「手洗いシンク」の水栓について

一番大きい「Ⅲ型(基本型)」の場合は、水栓は手で直接触れないで、開栓できるようにする必要があります。

自動車営業の 基本設備提供不可食品等の条件が付される設備
Ⅲ型(基本型)Ⅱ型(80 型)Ⅰ型(40 型)
手指の再汚染を防止する構造の 手洗いシンクの水栓レバー式、踏込式等、 手洗いの給水口に 設けること衛生上支障が無いと認められる場合は
手洗い後の手指と水栓のアルコール消毒で代替可能

その他必要な設備について

「冷凍庫」「冷蔵庫」「保管設備」「換気設備」がⅠ型・Ⅱ型・Ⅲ型のどれであっても必須。

自動車営業の 基本設備提供不可食品等の条件が付される設備
Ⅲ型(基本型)Ⅱ型(80 型)Ⅰ型(40 型)
冷蔵設備冷蔵庫又はクーラーボックス(温度計を設置し、適切な温度であることを確認し、記録すること)
ふた付ゴミ箱必要
保管設備
(密閉ケース、戸棚等)
必要
換気設備必要(換気扇や窓など)

取り扱い食品例

「Ⅲ型(基本形)」以外では、未加熱食品は、提供できないようです。

自動車営業の 基本設備提供不可食品等の条件が付される設備
Ⅲ型(基本型)Ⅱ型(80 型)Ⅰ型(40 型)
直前加熱食品
米飯類の提供
ただし品目を制限して管理すること
直前加熱済食品の組合せ
ただし品目を制限して管理すること
既製清涼飲料水の混合 (市販氷の添加含む)
未加熱食品××
かき氷の提供(市販の氷を削氷 毎に飲用適の水で表面を洗うこと)
市販の容器包装に詰められた氷用シロップを使用すること
切身魚、刺身の調製×
非処理の魚介類販売は可能
ただしその場合、同じ車内での
直前加熱品以外の取扱は不可。
×
非処理の魚介類販売は可能
ただしその場合、同じ車内で
魚介類直前加熱品以外の取扱不可。

その他に、運転席と調理場が隔壁で明確に区分けされていることも必須です。

大阪のシンボル通天閣

以上が大阪市の保健所の営業許可基準の確認ポイントです。

③【キッチンカーの飲食店営業許可申請】神戸市の保健所が見る基準

続いて「神戸市」の基準を見ていきます。

神戸市は「キッチンカー等、自動車の飲食店営業許可申請の手引」というわかりやすい資料が公開されています。

この資料に基づき、重要なポイントを見ていきましょう。

「キッチンカー」の給水タンク・排水タンクの容量により3つのタイプに分けられています。

呼び方こそ違いますが、大阪市の場合と同様に給水タンク、排水タンクの容量別に調理の幅が設けられています。

違う点としては、神戸市は、原則「提供直前に加熱調理しているものに限る」と明記(強調)していること。神戸市の営業許可基準2

神戸市のキッチンカー営業許可基準の説明イラスト

「手洗いシンク」「洗浄用シンク」の設置基準

大阪市では「給水タンクが40L」の時のみ「手洗いシンクと洗浄用シンクの兼用」が認められていました。

しかし神戸市の資料では、そのような基準はなく、給水タンクの容量に関係なく「手洗いシンク」「洗浄用シンク」ともに必要であるようです。

参照元:飲食店営業(自動車)(エクセルの資料があります。)
食品衛生法基準条例(平成11年兵庫県条例第56号)
「第1 営業に共通する基準」
「3 施設の構造及び設備」の中の(チ)(レ)に記載
(チ) 従業者の手指を洗浄消毒する装置を備えた流水式手洗い設備を必要な個数有すること。なお、水栓は洗浄後の手指の再汚染が防止できる構造であること。
(レ) 食品等を洗浄するため、必要に応じて熱湯、蒸気等を供給できる使用目的に応じた大きさ及び数の洗浄設備を有すること。

「手洗いシンク」の水栓について

大阪市では、「給水タンクが40L及び80L」の時は、「手洗い後の手指と水栓のアルコール消毒で代替可能」とされていました。

同様に神戸市でも「準固定施設(給水タンクが200L)」の場合は、手指の再汚染防止構造が必要になります。

神戸市の洗浄設備に関する資料

つまり、レバー式、踏込式等、 手洗いの給水口に 設けましょうという事です。

その他必要な設備について

大阪市の場合と同様に、給水タンク容量に関係なく「冷蔵冷凍設備」「手指殺菌消毒設備」「保管設備」「廃棄物容器」などが必要になります。

神戸市の資料(その他必要な備品)

取り扱い食品例

先にも書きましたが、神戸市は、「原則として提供品目は提供直前に加熱調理される食品に限る」ということを強調しています。

神戸市の営業許可基準2

また、例外としては、以下のケースは、加熱していなくても認められています。

  • 市販品を使用した品目(缶詰、容器包装に入った漬物・カット野菜・クリーム類で市販品のもの)
  • 飲料(清涼飲料水・アルコールの小分け・混合は、注文の都度カップに移す場合に認められています。)
  • かき氷・アイスクリーム神戸市資料(例外の食品品目)

また、神戸市では、給水タンク「200L」を有する自動車は「準固定施設」として一般飲食店と同等の食品提供が可能であるとしています。

神戸のシンボルポートタワー

以上が神戸市の保健所の営業許可基準の確認ポイントです。

④【まとめ】大阪市と神戸市のキッチンカーの「飲食店営業許可申請の基準」で違うところは?

内容がめちゃくちゃ膨大になってしまいましたので、いか3点に簡潔にまとめますね。

  • 大阪府に18個の保健所、22管轄エリア/兵庫県に17個の保健所、18管轄エリア
    それぞれの地域にたくさんの管轄エリアがあります。
    大阪府でキッチンカー営業する際は、府内のどこかの保健所で「飲食店営業許可申請」を提出する必要があります。(2022年1月に統一されました。)
    神戸市は、管轄するエリアごろに営業許可申請が必要です。
  • 「飲食店営業許可申請の基準」について、大阪市と神戸市の基準は「大枠の方向性」は同じであり、共通する部分がかなり多いです。
    (同じことを言っているが「表現」が違うパターンが多いです。)
  • 「飲食店営業許可申請の基準」について、大阪市と神戸市の基準で違う部分は、「手洗いシンク・洗浄用シンクの設置基準」です。(大阪市は、手洗いシンク・洗浄用シンクの兼用が認められる場合があります)

以上となります。

最後に、以上のことを踏まえて、「大阪市」と「神戸市」でキッチンカーによる「カフェ開業」を目指す僕が目指す方向性が徐々に見えてきました。

給水タンク・排水タンクの容量は「200L」のキッチンカーでの開業を目指します。
想定しているカフェメニューは、おいおい紹介していきますね。

尚、当記事の情報は、
2021年10月現在の情報(保健所の担当者さんへのヒアリング、公開されている資料)をもとに、比較しました。
また、同じ保健所であっても「担当者」によって見解がずれることもあります。

よって、あくまでも一つの参考情報として参照頂ければ幸いです。

「キッチンカー開業」の進捗状況は、以下記事にて日々共有しています。
ぜひご参照ください。
https://m-cafe-goshen.com/progress-until-the-cafe-opens-with-a-kitchen-car/

 

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