【堀口式vs井崎式】美味しいコーヒーのドリップ方法はどっち?(ハリオ編)

ドリップコーヒーを入れているシーン

「カフェ開業@キッチンカー」奮闘記 第11歩:
「堀口式vs井崎式」美味しいコーヒーのドリップ方法はどっち?(ハリオ編)

さて、今回は、前回の記事の続きです。

  • 【前回】第1部 KONOドリッパーで「堀口式ドリップ」VS「井崎式ドリップ」の比較検証
  • 【今回】第2部 ハリオドリッパーで「堀口式ドリップ」VS「井崎式ドリップ」の比較検証
  • 【次回】第3部 ORIGAMIドリッパーで「堀口式ドリップ」VS「井崎式ドリップ」の比較検証

今回の検証では、「ハリオドリッパー」を使って、日本のコーヒー業界を引っ張っているお二人。

  • 日本のスペシャルティーコーヒーの第一人者である堀口珈琲の「堀口俊英」氏
  • 2014年にバリスタチャンピオンシップの世界大会で優勝された「井崎英典」氏

このお二人が提唱されている「堀口式ドリップ」VS「井崎式ドリップ」の比較検証をいたします。

目次

多くの人に愛されている人気の高い「ハリオ」ドリッパー

ペパードリップのドリッパーをいくつか挙げるときに、真っ先に挙げられるのは、この「ハリオ」ドリッパーではないでしょうか。

ハリオのドリッパーの特徴は、らせん状の「リブ」のある円錐型の形状になっています。

ハリオのドリッパーの拡大画像

この「リブ」のおかげで抽出されたお湯が下に抜け落ちやすくなっていて、透明感のあるすっきりした味わいのコーヒーが抽出できます。

さすがは、コーヒー関連器具の老舗だけあって研究しつくされた「ドリッパー」だと言えるでしょう。

確かに、前回の「KONO」ドリッパーと比べてもお湯の抜ける速度は速い感じがします。

余談ですが、ハリオは今年(2021年)で創業100年を迎えたようです。

100年間も事業を続けてこられるなんて、心から尊敬します。

「コーヒードリップ」の2大巨頭である「堀口英俊」「井崎英典」の紹介

堀口俊英井崎英典
経歴1948年生まれ。1990年東京都世田谷区に「ビーンズショップ喫茶「珈琲工房HORIGUCHI」を開設。2002年には堀口研究所を開設し、コーヒーの栽培、精製と香味の研究のほか、セミナーの運営、開業支援などを行う。
【著書「おいしいMYコーヒーの愉しみ方」より参照】
1990年生まれ、福岡県出身。第15代ワールド・バリスタ・チャンピオン。高校中退後、父が経営するコーヒー店でバリスタになる。法政大学国際文化学部への入学を機に、㈱丸山珈琲に入社。2012年、史上最年少でジャパン・バリスタ・チャンピオンシップにて優勝し、2連覇を経て、2014年のワールド・バリスタ・チャンピオンでアジア人で初めて優勝する。
【著書「コーヒーを楽しむ教科書」より参照】
所属株式会社堀口珈琲 創業者であり代表取締役会長株式会社QAHWA代表取締役社
一言でいえば。。。日本のスペシャルティーコーヒーの第一人者第15代ワールド・バリスタ・チャンピオン
主な著書2008年「おいしいMyコーヒーの愉しみ方」
2009年「「極上の一杯」の淹れ方がわかる! おいしい珈琲のある生活」
2010年「珈琲の教科書」
2020年「THE STUDY OF COFFEE」
2019年「ワールド・バリスタ・チャンピオンが教える世界一美味しいコーヒーの淹れ方」
2020年「理由がわかればもっとおいしい!コーヒーを楽しむ教科書」
現在堀口珈琲の経営は、後任に任し、コーヒーの研究活動に専念している。コンサルティングに力を注いだり、コーヒーのエバンジェリストとして啓蒙活動をしている。

堀口式ドリップ法と井崎式ドリップ法の解説

堀口式ドリップ法井崎式ドリップ法
目安容量粉15g 抽出120ml(抽出量)
粉25g 抽出240ml(抽出量)
粉35g 抽出360ml(抽出量)
お湯(注ぐ量):コーヒー豆=100:8
⇒粉15g 187.5ml(注ぐ量)
粉25g 312.5ml(注ぐ量)
粉35g 437.5ml(注ぐ量)
手順
  1. 粉を平らにする。
  2. 93℃±2℃のお湯を粉の中心に10ml程度注ぐ。
  3. さらに10ml注ぎ、20~30秒後に1滴落ちるまでそれを繰り返す。
  4. 最初の1滴以降は、お湯を多めにし、粉の中心から外側に円を描くように注ぐ。
  5. 1分30秒で約100ml程度抽出する。
  6. お湯を多めに注ぎ、残りの1分で140mlを抽出する。

【著書「THE STUDY OF COFFEE」より参照】

  1. フィルターをドリッパーにセットする。
  2. 器具を温める。(フィルタにもお湯をかける)
  3. 粉をセットする。
  4. 1湯目(お湯全体の20%)を注ぐ。
    ⇒時間計測スタート
  5. 蒸らす。
  6. 撹拌する。(ドリッパーを水平方向にくるくる回す。)
    ⇒1湯目から1分たつまで待つ。
  7. 2湯目(お湯全体の20%)を注ぐ。(粉全体に乗せる感じ)
    ⇒1湯目から1分30秒たつまで待つ。
  8. 3湯目(お湯全体の20%)を注ぐ。
    ⇒1湯目から2分たつまで待つ。
  9. 3湯目(お湯全体の40%)を注ぐ。
  10. 撹拌する。

【著書「理由がわかればもっとおいしい!コーヒーを楽しむ教科書」より参照】

特徴
  • 「蒸らし」の概念がない。
    お湯を粉に少量づつ注ぎ浸透させていくイメージ
  • お湯の量は、「抽出されたコーヒー」の量で管理
    ⇒落ちきるまで待たない!!
  • ドリッパーをくるくる回す「撹拌工程」
  • 一般的には、お湯はフィルターに直接当てないことが推奨されるが、井崎式では、当ててもOK(むしろ当てるほうが良い)。
  • お湯の量は、「注いだお湯」の量で管理
    ⇒落ちきるまで待つ!!
共通している重要ポイントお湯の量、粉の量、注ぐペース(時間)をスケールを使って計測すること!!

堀口式ドリップ法と井崎式ドリップ法比較検証方法

比較方法は、以下の通りそれぞれ抽出を行い、テイスティングする。

堀口式ドリップ法井崎式ドリップ法
コーヒー豆グアテマラ サンタカタリーナ農園(みるっこ7番)ガテマラのコーヒー豆
豆とお湯の量豆:20g 抽出量200g豆16g 注ぐ量200g
抽出時間約2分50秒約3分
抽出器具ハリオ式ドリッパーを使用

ハリオドリッパーでの抽出後の画像

堀口式ドリップ法と井崎式ドリップ法の比較検証結果

堀口式ドリップ法井崎式ドリップ法
香り(10点満点)
後味(10点満点)
酸味(10点満点)
コク(10点満点)
バランス(10点満点)
味の印象透明感がはっきりあって、とにかくクリア。
クリアだからこそ、豆の特徴的な「酸」が際立つ。
コクは、やや井崎式の方があるように感じた。(すこしざらつきも)
どっしりとした「コーヒー」を楽しみたい方にお勧めな入れ方と言える。

【まとめ】考察~「堀口式」と「井崎式」どちらがおすすめなの?

という事であくまでも、僕個人の見解ですが、

「ハリオ式」ドリッパーでも、「堀口式」の入れ方の方が圧倒的にクリアで飲みやすく感じました。

クリアだからこそ、豆(グアテマラ サンタカタリーナ農園)の個性であるオレンジのような酸をはっきりととらえることが出来ました。

とはいえ、このあたりは、コーヒーの味に「なにを求めるか」という部分により、人によっては「井崎式ドリップ」法で入れたコーヒーの方が美味しいという方もいると思います。

次回の「ORIGAMI式」ドリッパーでの検証比較に期待しましょう!!

ここまでお読みいただきありがとうございました。

堀口俊英氏の直近の著書:コーヒーを科学的に研究・分析している本。本当に美味しいコーヒーを求めている方。コーヒーを極めたい方にはおすすめの方です。

井崎英典氏の著書:コーヒー初心者にもわかりやすく、イラストもふんだんに使いながら「コーヒー」について解説してくれています。美味しいコーヒーの入れ方も具体的でとても分かりやすいです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次