「カフェ開業@キッチンカー」奮闘記 第16歩:
【ドリップコーヒー】ドリップ工程を4分割しコーヒーの味を素因数分解してみた。
今日は、また一風変わったタイトルをつけてしまいましたが、とてもマニアックなドリップコーヒーの検証をしてみたいと思います。(前からずっとやりたかシティーローストというのは、世界一美味しいドリップコーヒーを入れるために、「ドリップ工程のどのタイミングでどのような味が抽出されているのか」をどうしても把握したいからです。
具体的には、「ドリップの工程を4分割し、各工程の抽出液を別々に取り分けて味比較をする」という比較検証実験です。
「ドリップコーヒーを極めたい方」、「美味しいコーヒーを日々追及している方」への参考になる内容かと思いますので、ご興味ある方は、お読みください。
【目的】ドリップコーヒー抽出工程の中で「風味」や「香り」は、いつ出てきているのか?
この検証の究極的目的は、世界一美味しいドリップコーヒーを入れたいということ。
もう少し具体的に言うと、世界一のドリップコーヒーにたどり着くために、コーヒーの味がドリップ工程のどのタイミングでどのような「味」・「香り」が抽出されているのかを知るということ。
コーヒーの味の構造みたいなものを知ることで、より思い通りのドリップができるのではないかと考えています。
【検証方法】ドリップ抽出工程を4分割して風味を比較検証
使用する豆
今回の検証は、次の3種類のコーヒー豆で検証いたします。
【1】
国・「地域」 | ガテマラ「アンティグア/サン・ミゲル・ドゥエニャス」 |
農園名 | サンタカタリーナ農園 |
精製方法 | ウォッシュト |
豆の種類 | ブルボン |
焙煎 | シティーロースト |
焙煎者 | 堀口珈琲 |
特徴 | 完熟したオレンジの様な酸と甘みが感じられ、ミルクチョコレートの様な滑らかな触感が特徴です。酸、コク、甘みのバランスの良さに加え余韻の華やかさも感じられます。 |
【2】
国・「地域」 | エチオピア「イルガチェフェ南部 ゲデブウォルカ水栓工場」 |
農園名 | ーーーー |
精製方法 | ウォッシュト |
豆の種類 | ブルボン |
焙煎 | シティーロースト |
焙煎者 | タオカコーヒー |
特徴 | 5年目に入る今年はさらに厳格な品質管理を徹底し、その年最初に収穫された”一番摘み”のものだけを 集めた特別なロットをご用意することができました。 透明感、果実味、華やかさ。 エチオピアを代表するコーヒーをご賞味ください。 |
【3】
国・「地域」 | コロンビア「ポパヤン グアヤボス」 |
農園名 | サントゥアリイ農園 |
精製方法 | ウォッシュト |
豆の種類 | ティピカ |
焙煎 | ミディアム(記載ない為、自分で判断) |
焙煎者 | 旭珈琲 |
特徴 | 「ドライかつスイート」ワインにも似たフルーティさが特徴。 しっかりとした深いコクをより一層引き立て豊かな味わいが後口に広がります。 |
検証方法
- 豆20gに対し200ccの抽出を行う。
- ドリップ方法は、堀口式ドリップ【コーノドリッパー】
- ドリップを以下の4段階に分割する。
①:50ccまでの抽出液
②:50ccから100ccまでの抽出液
③:100ccから150ccまでの抽出液
④:150ccから200ccまでの抽出液 - 出来上がった①~④をテイスティングし評価する。
評価項目は、「香り」「後味」「酸味」「コク」「バランス」を10段階評価する。 - 抽出液の色、味の印象もチェック、記録する。
【実験結果】複雑なコーヒーの味はどのように組み立てられている?
【1】
国・「地域」 | ガテマラ「アンティグア/サン・ミゲル・ドゥエニャス」 | |||
農園名 | サンタカタリーナ農園 | |||
抽出段階①~④ | ① (~50cc) | ② (50cc~100cc) | ③ (100cc~150cc) | ④ (150cc~200cc) |
香り | 9 | 8 | 6 | 6 |
後味 | 8 | 9 | 8 | 8 |
酸味 | 8 | 8 | 9 | 9 |
コク | 9 | 8 | 7 | 7 |
バランス | 7 | 8 | 8 | 8 |
抽出液の色 | ||||
コメント | とにかく苦い 濃い コク強い さめてから酸が強いことに気が付く。 | かろやか | 薄いがすっきり。 フルーティーな酸で結構美味しい。 (苦みがないから酸が際立つのか) | 傾向は③と同じ特徴 さめてから抜けた感じの味。 |
【2】
国・「地域」 | エチオピア「イルガチェフェ南部 ゲデブウォルカ水栓工場」 | |||
農園名 | ーーーー | |||
抽出段階①~④ | ① (~50cc) | ② (50cc~100cc) | ③ (100cc~150cc) | ④ (150cc~200cc) |
香り | 8 | 7 | 7 | 6 |
後味 | 7 | 8 | 7 | 7 |
酸味 | 9 | 8 | 7 | 7 |
コク | 7 | 7 | 7 | 7 |
バランス | 7 | 8 | 7 | 7 |
抽出液の色 | ||||
コメント | 酸味が強い 深みなし | 酸味が強い 通常のコーヒーに近い 豆の劣化が否めない(酸化) | 酸味が強い | 酸味が強い |
【3】
国・「地域」 | コロンビア「ポパヤン グアヤボス」 | |||
農園名 | サントゥアリイ農園 | |||
抽出段階①~④ | ① (~50cc) | ② (50cc~100cc) | ③ (100cc~150cc) | ④ (150cc~200cc) |
香り | 8 | 7 | 7 | 7 |
後味 | 6 | 8 | 7 | 8 |
酸味 | 8 | 8 | 7 | 7 |
コク | 8 | 7 | 7 | 7 |
バランス | 6 | 8 | 7 | 7 |
抽出液の色 | ||||
コメント | 苦みが強い (強すぎて他の味が分からない) | スッキリ飲みやすい | スッキリ飲みやすい |
【考察まとめ】「コーヒーの美味しさ」を表現するには、どんなドリップをすればよいのか?
今回は、あくまでも官能検査なので、かなり個人的な主観が入っているかと思いますが、総じて言える印象は、次の通りです。
「①」は、とにかく苦かったり、味が濃く、酸味などが非常に分かりにくい。
⇒【凝縮】要素
「②」は、比較的味がまとまっているが奥行きがない。
⇒【まとまり】要素
「③」は、味は薄いがきれいなフルーツのような酸を感じることができた。
(特に、サンタカタリーナ農園は、オレンジジュースっぽい)
⇒【果実1】要素
「④」は、傾向としては「③」に似ているがはやり薄い。
⇒【果実2】要素
個々の要素は、単一的なもので、表面的に感じられました。
その一方で、この4つの味(要素)が組み合わさって「立体的な複雑さ」ともいえるようなコーヒーの美味しさ(味)があらわされているとも考えることができると思います。
このことから、抽出の後半(③,④)は、きれいな「酸」を感じることが出来ましたので、この後半部分の比重を大きくすることで、もっとフルーツのような酸が感じられるのではないかと考えました。
明日以降のドリップに活かしていきます!!
以上、ここまでお読みいただきありがとうございました。
※最後に。。。
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