スペシャルティコーヒーとは?定義、歴史背景、どこで飲める?どこで買える?
2022年現在、「スペシャルティコーヒー」という言葉が広く認知されるようになってきました。
それに伴い「スペシャルティーコーヒー」を扱うお店(小売店・飲食店)も、年々増加しとても増えてきていますよね。
ただ個人的には、「スペシャルティコーヒーという言葉」の一人歩き感を感じなくもないので改めて結局なんなのかを調べてみました。
そもそも「コーヒー」ってなに?コーヒーについての基本情報
超ざっくりしたコーヒーの歴史
コーヒーは、いつどこでどのようにして発見されたのか?
その正確な答えは、分かっていません。
ただ一般的に言われているのは、コーヒー(アラビカ種)の原産地は、古代アビシニア「エチオピア」であるということ。
- 6世紀頃、アビシニアは、金の算出でとても栄えていて中東のイエメンを支配下に置いていました。
その為コーヒの木は、イエメンを経由して世界各地に広がっていきました。 - 15~16世紀には、アラビア人によってイエメンで本格的に栽培が始まりました。
- 18世紀初頭、ジャワ島で栽培されたコーヒーの木はオランダのアムステルダムの植物園に渡ります。
- その後フランス経由でフランスの植民地であった「西インド諸島」「メキシコ沿岸地域」「中央アフリカ」へと広まって行きました。【アラビカ種のひとつ「ティピカ種」の伝播ルート】
- 1717年頃にイエメンからフランス人によってブルボン島(現在のレユニオン島)に導入されたアラビカ種は、エチオピア原産ではあるものの、突然変異で別の品種(ブルボン)となり中南米にも広がっていきました。【アラビカ種のひとつ「ブルボン」の伝播ルート】
なるほど!!広まったルートが2つ(ティピカ種のルート、ブルボン種のルート)あるんですね。
16世紀にはコンスタンチノープル(現イスタンブール)にコーヒーハウスが誕生し、大衆で飲まれるようになったようです。
ちなみに日本に伝わったのはいつ頃なんでしょうか?
織田信長、豊臣秀吉などの説があるようですが、記録としては江戸時代末期、長崎出島で当時の貿易に関係した人が飲み始めたという説が有力なようです。
植物としてのコーヒー
コーヒーはアカネ科のコフィア属に属する熱帯植物です。
このコフィア属にさらにたくさんの種が存在しますが、一般的にコーヒーとして使用されているのは、「アラビカ種」「カネフォラ種」です。
(上の項でも少し出てきましたが、アラビカ種の中に「ティピカ」「ブルボン」など様々な種が存在します。)
特徴は以下の通りです。
アラビカ種 | カネフォラ種 |
華やか、甘い香り | 重い、アスファルト、麦茶っぽい |
全生産量の60% | 全生産量の40% |
病気に弱い | 病気に強い |
1株で種子が作られる。 | 2株で種子が作られる。 |
エチオピア原産 | 中央アフリカ原産 |
コーヒーの花
コーヒーの花は以下写真のように小さい可愛らしい白い花です。
コーヒーの実
やがて白い花が実となります。
(実の色は、青(緑)→赤に変わります。赤色になると成熟した豆として収穫されます。)
実を精選してコーヒー豆に
収穫された実の果肉や皮を取り除いた種子部分が私たちが目にする「コーヒー豆」になります。
この工程を「精選」と呼んでいて、精選方法にも「水洗式」「非水洗式」「スマトラ式」などいろいろありますが、あまりにマニアックになってしまうのでここでは割愛します。
コーヒーはどこで取れるの?
コーヒーベルト地帯
コーヒーは赤道を挟む南北23.26度の帯状のエリアで栽培されています。
この帯状のエリアの事を「コーヒーベルト地帯」と呼んでいます。
おおよそ60か国で生産されているようです。
このコーヒーベルト地帯の中で
- 赤道に近いエリアは、雨季と乾季の区別がなく年2回収穫されます。
ケニヤ、インドネシア、コロンビアなど - コーヒーベルト地帯の中の「北よりエリア」「南よりエリア」は年1回収穫されます。
ブラジル、グアテマラ、ベトナム、タンザニア
国別生産量
- コーヒーの世界生産量は、約155000千袋/60㎏です。
(気候などによって変化していくので、おおよその数字) - 国別生産量のビック5は、次の通りです。
- ブラジル
- ベトナム
- コロンビア
- インドネシア
- エチオピア
2022年現在、数年間このあたりの上位の順位に変動はないようです。
新しいコーヒーの世界「スペシャルティコーヒー」の登場
「スペシャルティーコーヒー」が登場する背景
現代においてコーヒは世界中に流通し、世界中で飲まれています。
ひと昔前まで、コーヒーは生産国の輸出基準に基づいて生産されたものがほとんどで、正確なそのコーヒーの履歴がわからないまま、グアテマラSHB、コロンビアSPなどという名称で流通していました。
しかし、「もっと美味しいコーヒーはないの?」と香味が追及された結果、「どこの地域で、誰が、どんな品種を、どのように栽培したのか?」という情報に基づいたコーヒーが求められるようになりました。(トレサビリティ)
そんな背景の中【1980年代】SCAA(アメリカのスペシャルティコーヒー協会)が「スペシャルティコーヒー」という概念を誕生させました。
スペシャルティコーヒーの定義
では、SCAAによるスペシャルティーコーヒーの定義はどんなものなんでしょうか。
簡潔にまとめますと以下のような内容です。
- 生豆のグレーディングに基づき、その基準をクリアにしたもの
■生豆サンプル350gの中に規定以上の欠点豆を含んでいない。
■生豆の水分値が輸入時点で
ウォッシュト=10~12%
ナチュラル=10~13%のもの
■スクリーンサイズの契約上の値と差異が5%以内。 - カッピングフォーム基準に基づき、総合得点が80点以上
■カッピングによって評価項目を評価し、点数をつけていく。
各項目は10点満点。総合80点以上でスペシャルティコーヒーになる。
その後日本でも、2003年(20年遅れ)にSCAJ(日本スペシャルティーコーヒー協会)が設立されました。
スペシャルティコーヒーの定義は、基本的にはSCAAと同等のものです。
SCAJのスペシャルティコーヒーの評価基準は、こちらへ
ちなみに、googleトレンドで「スペシャルティコーヒー」というワードの検索数の変遷を見ましたら以下の通りです。(2004年以降のデータ)
緩やかではありますが検索数が右肩上がりです。
少しずつ興味を持つ人が増えてきているという事でしょう。
このように、スペシャルティコーヒーは、美味しいコーヒーの為の素晴らしい概念なのです。
ただ、それと同時に忘れてはいけないのは、スペシャルティコーヒーの基準に基づきコーヒー豆を評価するのは、「人」(人の舌)です。
つまり評価する人のスキルがめちゃくちゃ重要だと思います。
もう少し突っ込んだことを言うと、結局のところ、そのスペシャルティーコーヒーを「どこの誰」が評価をして「スペシャルティコーヒー」と判定したのかは消費者側からは全く見えないのです。
販売サイドを信じるしかないのが実状ということ!!
このあたりの仕組みを、消費者サイドから見ても明確に分かるような(透明性のある)ものにしてほしいと、個人的には考えます。
スペシャルティコーヒー!!どこで飲めるの?
近年、街中で「スペシャルティコーヒー」を謳うコーヒー専門店が増えてきましたね。
消費者目線で選ぶ楽しみが増えてうれしくもありますが、「選ぶ」のが大変という一面もあります。
そんなわけで、主にネット上で「スペシャルティーコーヒー」が買えるお店を少し紹介したいと思います。
堀口珈琲
日本におけるスペシャルティコーヒーの第一人者である堀口俊英」氏のコーヒー店です。(※2022年現在堀口俊英氏は「堀口珈琲」の経営自体から退きは、コーヒーの研究に専念しているとか。。。)
東京に住んでいた頃、堀口珈琲の近所に住んでいたり、堀口珈琲の「セミナー」「テイスティング会」によく参加させてもらったので、安心してコーヒー豆を購入できます。
実店舗は東京にしかありませんがオンラインストアでも買うことが出来ます。(こちらから)
今は、僕自身は遠方に住んでいるので、専らネット通販で購入しています。
関東在住の方は、一度お店にも訪問してみることをお勧めします。
Nif Coffee
堀口珈琲の一線で活躍されていた「小川健介さん」「渡邉 健也さん」が立ち上げたコーヒー屋さん。
お二方とも国際鑑定士の資格(Qグレーダー)をお持ちなので、スペシャルティコーヒーの鑑定することが出来ます。
これは、消費者サイドとしても安心して購入できるお店だと思います。
僕も実際に購入してみました。
僕は、完全に「深煎り」が好きなタイプなので「ふかいり」のみ購入しました。
飲んだ第一印象は、「深煎りなんだけど、透明感があってスッキリしている。」
「スペシャルティーコーヒー」の醍醐味みたいなもんを堪能できました。
以下写真の通り梱包もきれいでした。!!
Nif Coffeeの主な特徴は、以下2点です。
- 取り扱いしている豆は「ふつう(⇐焙煎度)」「ふかいり」の2種類ある。
- それぞれシングルオリジン(単一農園の豆、ブレンドしていないの意味)で月毎に豆の種類を替えている。
ぼくは、完全に「深煎り」が好きなタイプなので「ふかいり」のみ購入しました。
飲んだ第一印象は、「深煎りなんだけど、透明感があってスッキリしている。」
「スペシャルティーコーヒー」の醍醐味みたいなもんを堪能できました。
- スペシャルティーコーヒー初心者
- スペシャルティコーヒーがよくわからない方
- たくさんある豆の種類から選ぶのが面倒という方
また、YOUTUBEチャンネルもお持ちなので遠方エリアでも顔が見えるので安心ですね。
↑Nif Coffeeのこだわりなどチェックしてみてください。
Scrop COFFEE ROASTERS
パナマのゲイシャを中心とした品揃え。
(2006年頃、堀口珈琲でパナマ エスメラルダ農園のゲイシャ飲んだことがありますが、衝撃的なコーヒーでした。パイナップルジュースみたいな感じ)
こちらのコーヒー屋さんもQグレーダー(中嶋太郎さん)がいらっしゃるので安心して購入できるお店と言えます。
COFFEE SOLDIER
バリスタチャンピオンシップの世界大会にも出場された「竹本俊一」氏のお店。
カッピングなどの実力スキルももちろんあるので安心して買うことが出来るお店です。
楽天市場
楽天市場でスペシャルティコーヒーを販売しているサイトを別途記事にしました。
【まとめ】スペシャルティコーヒーとは?定義、歴史背景、どこで飲める?
- コーヒーの基本知識について
コーヒーの歴史 →エチオピア原産。15~16世紀頃から本格的に栽培が始まる。
植物としてのコーヒー→アカネ科コフィア属に属する「アラビカ種」「カネフォラ種」の2種類ある。
コーヒはどこで取れるのか→コーヒーベルト地帯 - スペシャルティコーヒーの登場してきた背景
→より美味しいコーヒーを求めてトレサビリティが求めれるようになってきった。 - スペシャルティコーヒーの定義
→カッピング評点で80点以上の美味しいコーヒー(スペシャルティコーヒーという言葉の一人歩きに注意) - スペシャルティコーヒーの専門店
・堀口珈琲
・NIF COFFEE
・SCOPE COFFEE ROASTER
・COFFEE SOLDIER
以上ここまでお読みいただきありがとうございました。
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